令和4年度 防衛大学校卒業式典
2023.03.27
令和5年3月25日(土)及び26日(日)、防衛大学校 本科第67期学生、理工学研究科前期課程第60期学生、同後期課程第20期学生、総合安全保障研究科前期課程第25期学生及び同後期課程第12期学生に対する卒業証書授与式及び卒業式典が挙行され、26日(日)に岩田清文同窓会長が卒業式典に出席しました。
今年も新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から来賓の参加が限定されるとともに、午餐会が中止となりましたが、これまで中止されていたHCD(ホームカミングデー)も4年ぶりの再開、参加人員を限定したご家族の参加等、徐々に新型コロナ感染症拡大前の卒業式典へ戻る兆しもみられました。
26日(日)、岸田内閣総理大臣のご臨席の下で卒業式典が行われ、久保学校長が本年度の卒業生である本科学生467名(留学生21名を含む)及び研究科学生72名(留学生9名を含む)の学生代表者18名に卒業証書を手渡され、式辞において「わが国に万が一のことが生起した場合、その対応の中心になるのは皆さんです。今後も精進を続け、皆さん全員が嘱望された人生を全うされることを祈念します。」と述べられました。
岸田内閣総理大臣は、「自衛官としての新たな一歩を踏み出す皆さんは、軍事専門的知見や技術を磨くだけでなく、高い倫理観と使命感を持って任務に当たることが要求され、世界が歴史の分岐点を迎える中、背負うものは、極めて大きく、民主主義国家における実力組織のスタンダードとも言える、プロフェッショナリズムに徹し、国防という崇高な職務に邁進(まいしん)して、国民の負託に応えてくれることを期待しています。」と訓示されました。
また、浜田防衛大臣から「防衛力の中核たる自衛隊員が能力を発揮するため、優れた人材が活躍する勤務環境整備の必要性が高まる中、幹部自衛官として自衛隊の中核を担っていく諸君には、隊員同士の信頼関係を構築することが極めて重要であるとの認識の下、より良い勤務環境の整備に尽力されんこと要望します。」と訓示されました。
来賓代表・新日鉄名誉会長・前日本商工会議所会頭 三村明夫 氏から「グローバル人材たれ!グローバル人材とは違った文化的背景を有する国との交流において、相手の言動をよく理解した上で自らの考えを主張しコミュニケーションがとれる人材であって、国内においても異なった組織の相手との対話でも通ずる能力を保持し、その能力は座学のみではなく苦しい立場に身を置き苦労することで身に付くものであります。新たなる人生における諸君の健闘を祈ります。」との言葉を贈られた。
卒業生は、2年生への進級の時期から約3年にわたり新型コロナ感染症拡大防止の影響を受け、これまで経験したことない大きな混乱とその対応に奔走してきた4年間の歩みを思い浮かべながら、代表による答辞にもあるように「幹部自衛官の責務と期待が大きくなる中、国防の任は重く道遠きものであるが、この4年間の学びと思い出がこれからの道を照らす明かりとなり背中を押してくれる。我々はその使命を自覚し、仲間とともにその責任を果たすべく着々と歩んでいきたい」との決意を胸に、学生歌斉唱の後に帽子を高々と舞い上げ会場を後にしました。
続いて行われた一般幹部候補生の任命・宣誓式では、卒業生は陸・海・空の制服に着替え、各要員別に陸曹長、海曹長、空曹長に任命され、一般幹部候補生を命ぜられました。そして、全員で宣誓を行い、岸田内閣総理大臣に宣誓書を手渡しました。
光輝くまなざしで宣誓する若者400名のこれからの奮闘を心から願いたい。
YouTube防衛大学校広報チャンネル「令和4年度 防衛大学校卒業式典、任命宣誓式」
(30期陸 山坂泰明 記)