防衛大学校同窓会長からのご挨拶(2021年度)
2021.04.07
防衛大学校同窓会会員の皆様に一言ご挨拶申し上げます。本年4月、岩﨑前会長の後を受け、防衛大学校同窓会会長を拝命しました岩田(第23期、陸上要員、電気工学、少林寺拳法部、徳島県出身)です。微力ながら、母校の充実・発展、同窓会会員相互の親睦交流のため尽力して参る所存ですので、宜しくお願い致します。
さて、防大では、本年3月に第65期生が卒業し、4月には第69期生が入校しました。従来であれば、多くのご来賓が見守る中、盛大かつ凛々しく式典が挙行されるところでありますが、昨年同様、新型コロナ感染の影響を受け、ごく一部限定された来賓の方々と学校関係者が出席する中での開催となりました。もちろん卒業式には、菅総理が来校され、卒業生に対して訓示をされております。
また卒業式にはホーム・カミング・デー(HCD)行事として第21期生が、そして入校式にはホーム・カミング・デー2(HCD2:入校から60年経過した卒業生)行事として第8及び第9期生が、学校長からご招待頂く運びとなっておりましたが、式典規模の縮小により2年連続して中止となりました。両行事共に、同窓生の親睦交流及び母校と同窓生を繋ぐ伝統行事として継承されていく中での中止であり、大変残念に思うところです。当該期であります第21期生及び第8・9期生の先輩方は、これまで精力的にご準備をされてきたところ、貴重な機会を失ったことを、私以上に残念に思っておられることと推察致します。学校側及びそれぞれの期生会のご判断により、来年は第22期生、及び第8期~10期生が対象になるとお聞きしております。来年こそは、桜花爛漫の中、本科及び研究科学生とともに、母校において同窓会会員相互の絆が深まることを願っております。
同窓会の現状について少し触れたいと思います。防大同窓会の会員数は現在、約2万5千700名(現役約1万2千200名、退職約1万3千100名、留学生約400名)であり、これまでは逐年OB数が増加する傾向にありました。一方で令和元年5月に第1期生会が、令和2年12月に第2期生会が、令和3年3月に第4期生会が、それぞれ組織的な活動に終止符を打つことが報告されたことからも、同窓会の会員数及び現役とOBの比率もほぼ一定値に落ち着く時期に達したという認識を持っております。
同窓会の活動としては、母校の充実・発展への寄与を主体とし、併せて同窓会会員の親睦交流に資する諸施策を継続しております。昨年度は、新型コロナ感染の影響により、支援対象となる防大での諸行事・訓練等が中止または縮小を余儀なくされたため、ほとんどの支援事業の実施が困難になるとともに、同窓会会員相互の親睦事業も全て中止することとなりました。さらに、同窓会代議員会の開催に関しても2年連続での中止を余儀なくされ、郵送処置による議案の議決に委ねたところであります。これらの判断・処置は、国民一人ひとりが耐えながら感染対策に集中し、その行動を自粛している間は当然のことでありますし、また防大同窓会活動が起因となり感染者を発生させることはあってはならないことと認識しております。
防大は、これまで國分学校長の先見性ある卓越したご指導により、時代の変化に応じた改革が進められており、まさに「世界に誇れる士官学校」へと進化しつつあります。学業、校友会活動及び学生舎生活の充実は基より、多くの防大生の国外留学や国際士官候補生会議の主催など、国際的視野を広げつつ国際交流の拡大や信頼醸成にも貢献しております。昨年はこのような取り組みの実施も叶わない状況となりましたが、ワクチン接種の拡大等によるコロナ感染の収束に伴い、学校運営も逐次従来の充実・発展の過程に戻れることを期待しております。
同時に同窓会活動もこれに併行して活発化し、母校の充実・発展に寄与するとともに、会員相互の親睦交流が盛んになることを願っております。特に、昨今の現役の活動においては、日米同盟の更なる強化はもちろん、日米豪印戦略対話(QUAD)を始めとする国際的連携強化の推進など、軍事的な国際舞台においてリーダーシップを取り得る幹部の育成が強く求められているものと認識しています。このような観点においても、今後同窓会としてさらに寄与できる施策に関しての検討を進めていきたいと考えております。
当然のことながら、同窓会の活動は会員皆様の「母校のため、後輩のため」という熱い思いに基づくご支援ご協力がなければできるものではありません。我々同窓会役員一同は、学校長始め防大の関係者、そして会員皆様方のご意見を賜りながら尽力して参る所存です。どうか会員の皆様方におかれましては、より一層の同窓会へのご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ、甚だ簡単ではありますが、会長就任にあたってのご挨拶とさせて頂きます。
防衛大学校同窓会長 岩田 清文