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会長ルーム・活動録

中谷真一衆議院議員との対談

2014.02.04

平成26年1月27日1330から、衆議院第2議員会館において、中谷真一衆議院議員と永岩同窓会会長との対談が実施された。

永岩会長:私は会長を拝命してから、OBの方々にお話を伺い、それをnakatani_shin_1.jpeg同窓会のホームページで紹介しています。最近は、国会議員になられたOBの方々に、議員としての活躍状況や今後の活動方針、ご自分の学生時代を振り返った上で今の学生に対する期待、そして同窓会及びOBに対する期待等をお話しいただいています。今日は、そのような観点で中谷議員にお話を頂きたいと思います。
 まず初めに、昨年政府が立ち上げた日本版NSCに関し、成立までのご苦労や今後の課題などお話しいただけますか?

中谷議員:NSCを立ち上げることができたことは日本の安全保障にとって大きな前進と思っています。今までは尖閣問題等に見られるようにその時々の対応に追われるのみであったのが、(NSCの創設により)日本の価値観に基づき政策方針を明確に打ち出していく、その一歩が踏み出せたものと考えています。
 同時に成立させた特定秘密保護法案についても、NSCの活動を有効なものとするための車の両輪として必要なものだと考えており、国民の正しい理解が得られるように、今後とも粘り強く説明していきたいと思います。NSCの今後の課題としては、いかにして情報を的確に集約するかだと考えており、情報の収集・分析・評価のための態勢整備が重要だと考えています。

永岩会長:情報については、国として態勢整備が重要と考えていますので、宜しくお願いします。次に、日米関係について、議員のお考えをお聞かせ願います。

nakatani_shin_2.jpeg中谷議員:我が国周辺のパワー・バランスに目を向けると、アメリカ現政権の対アジア政策がさほど積極的でないのに対し、中国の積極性は顕著であり、バランスが崩れつつあると言わざるをえません。その現象の一つが尖閣問題なのでしょうが、今後益々エスカレートしていく可能性がある中で、日本としては、まず自分の足でしっかり立つことが重要と考えます。日米同盟に頼るだけでなく、自分の国は自分で守る気概が必要であると思います。
 加えて、外交についても、安倍首相が現在、ロシア、インド、トルコといった中国を包囲する国々と積極的に外交を行っていますが、そういった我が国に有利な安全保障環境構築の為の態勢強化も、これから益々力を入れていく必要があると考えています。

永岩会長:議員は防大の学生時代はどのような学生だったのでしょうか?

中谷議員:学生としては特異な存在だったと思います。防大の学生生活は所謂「3本柱」(教育・訓練、学生舎生活、校友会活動)で支えられていますが、私の場合は校友会活動のみの1本柱だったのではと思います。私はラグビー部だったのですが、ラグビーに捧げた4年間だったと思います。他の2本の柱はおざなりになってしまいましたが、ただ、4年間を通じて培った同期との絆は、今でも有り難く思っています。私は途中で自衛隊から外に出ましたが、現役で頑張っている同期と一緒になって日本の安全を守っていきたいという気概は強く持っています。

永岩会長:今の防大生、及び大学校自体に対して今後期待することがあればお聞かせ下さい。
 また、今の國分学校長は、開校後60年が経過した防大は新たな高みを目指すべき時期にあるとのお考えで、その為に例えば、卒業していった先輩の知見・経験を防大の歴史的資産として学生教育にも活用できるような施設の整備もアイデアとして表明されています。そのような学校長のお考えは、同窓会としても応援したいと考えていますが、議員のお考えも併せてお聞かせ下さい。

中谷議員:私は、我が国を守る自衛隊士官を育成する防衛大学校は、我が国の要であり「精神的支柱」であると思います。その意味で、学生には心身を鍛え、我が国を担いうる人材となってもらいたいnakatani_shin_3.jpegと思います。私自身が防大で得たものは言わば「根拠のない自信」ですが(笑)、やはり厳しい4年間を乗り越えて得られる自信は、何物にも替え難い大きな資産になると思います。
 また、防大の歴史的資産の活用に関しては、私は防大自体の歴史に留まらず、それ以前の例えば陸・海軍士官学校時代の歴史も含めて見つめても良い時期にきているのではないかと考えています。

永岩会長:議員の同期生は、今各自衛隊の中核として活躍している時期にありますが、議員がそのような同期と交流する機会には、例えばどのような事が話題に上がるのでしょうか?差し支えなければ、お聞かせ下さい。

中谷議員:高尚な話しではなく思い出話しに終始する場合も多いですが(笑)、国会議員と自衛官という立場で、国家防衛の理想像について語り合う機会もあります。そのような場面では、現態勢が国を守る為に十分かどうかについて率直に意見交換もしますし、今後の態勢整備について、例えば法的整備の必要性について議論したりします。ただ、彼らは軍人としての立場もわきまえる必要がありますから、問題意識の共有を図りながら、政治家である私との言わば役割分担を常に念頭において議論しているつもりです。

永岩会長:自分も若い時は同期と背伸びをした議論をしたものですが、若い時は、成熟した議論に囚われず、現状から飛び抜けた議論をすることも必要だと思います。

中谷議員:私自身は、せっかく国会議員という立場を与えられた身として、同期自衛官が国防の任に邁進できるような環境作りに尽くしたいと考えています。例えば、集団的自衛権の問題や、自民党の党是である憲法改正等、課題は多いわけですが、立法府である国会に身を置く一人として、まさにそれらの課題を解決して環境作りができる立場にあるわけで、自分の国は自分で守る態勢作りに邁進したいと思っています。

永岩会長:最後に、今回の対談を防大同窓会ホームページに載せる上での、何かメッセージを頂ければと思います。

中谷議員:昨年は、日本版NSCと特定秘密保護法という長年の課題を法律化することができました。今年は更に踏み込んだ議論をしていかなければならないと思っております。特に集団的自衛権については、自然権であると考えており憲法を変えることなく解釈で突破できると考えております。これを解決しなければパートナーとの信頼関係が築けず我が国の安全保障も危ういと言わざるをえないと思います。
 また憲法改正については、具体的にどのように改正していくかの中身の議論に至っておらず、手続きをどうするかを議論している最中ですが、今年はこの国民投票法をしっかりと整備し、話を前に進めていかなければならないと考えています。これらの議論は、まずは国民の皆様にしっかりと理解していただくことが前提ですが、我々1年生議員は国会議員としての経験が浅い分、国民の皆様との距離が近いという利点もありますので、その利点を生かして、説明責任をしっかりと果たしていきたいと考えております。

永岩会長:本日は本当にありがとうございました。

nakatani_shin_4.jpeg(本部事務局事業部担当記)