新副校長(末吉洋明 陸将)に聞く
2022.01.21
防衛大学校副校長
陸将 末吉 洋明 (33期・陸上)
はじめに 同窓会会員の皆様のご支援に感謝
同窓会の皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年10月の異動で防衛大学校副校長を拝命しました33期生の末吉です。どうぞ宜しくお願いいたします。同窓会の皆様には部隊実習支援、校友会支援、国際交流支援等、平素より格別かつ温かいご高配を賜り心から感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
昨年、防衛大学校では、大方の大学とは一線を画しコロナ対策を実施しつつ対面授業、学生舎生活、校友会活動等をコロナ前のほぼ平常の状態に戻し校務運営を行いました。また11月13日、14日には2年ぶりとなる開校祭を入場者について一部のご家族に限定した上で実施いたしました。その際の顕彰碑献花式においても今年度3柱の御霊を新たに加えた108柱の御霊に対し岩田同窓会会長からの顕彰の辞、供花を賜るとともに多大なご支援を同窓会の皆様からいただきましたことに心から御礼申し上げます。
この度は同窓会本部事務局よりご依頼をいただきましたので最近の取り組みである調整部会、そして受験勧誘のお願い等について述べさせていただきます。
調整部会
まず調整部会についてです。本調整部会は、歴代の学校長、幹事のご尽力もあり、昨年度防衛大学校の諸課題について検討を行うため、事務次官を長とし各幕僚長、学校長、副校長等を構成員として「防衛大学校の充実・強化に関する調整部会」が設立されました。つまり、本部会設置により省全体として防衛大学校の運営、整備について検討し具体化するしくみが形成され、今年度から実質的な議論に移行し、今後、次期大綱・中期との関連も含めて来年度にかけて検討予定です。
防衛大学校としては上記調整部会設置を受け「充実・強化に関するプロジェクトチーム(以下、防大PT)」を設置しました。副校長(自衛官)を長とし、①安全保障環境、②人材確保・教育・研究、③学生指導・訓練、④魅力化(施設・基盤)の4つのワーキンググループ(以下WG)を編成し、各グループ長に部長級を配置し学校横断的に検討を推進しています。具体的には、➀安全保障環境WGでは、国際化を踏まえた取組、変化する安全保障環境に対応できる人材育成にかかる検討、②人材確保・教育・研究WGでは、入学試験の在り方、教育・研究体制の強化にかかる検討、③学生指導・訓練WGでは、学生間指導の在り方、学生支援の在り方にかかる検討、④魅力化(施設・基盤)WGでは、学校としての防衛大学校の魅力化、より効果的な学生教育の在り方にかかる検討を行っております。 また上記の4つのWGに跨る主なテーマとして防大中期整備計画等を検討いたします。具体的には検討結果を中心に事業化し、これまでにはなかった防衛大学校としての中期整備計画を具体化する予定です。
受験勧誘のお願い
次に、受験者数の現状と勧誘のお願いです。多大なご支援をいただいている中、更なるお願いで恐縮ですが、受験者数が少子化の影響を受け2016年から急激に減少しています。具体的には2016年15,094名であったところ2021年10,124名へ直近5年間で4,970名減少しています。正に危機的な状況と認識しています。要するにこの5年間で平均して1年毎に約1,000名が減少し受験者数が3分の2まで縮小していることになり偏差値もほぼ同様に下降傾向が続き、駿台予備校の数字で69期生は理工で51、人社で58といった状況です。
防衛大学校としても陸上幕僚監部等と連携し地方協力本部のご協力を得つつこの危機的状況の改善に向けて奮闘中でありますが、防衛大学校への深いご理解と関心を持つ同窓会の皆様についても是非ご協力を賜りたくお願いいたします。どうぞご親族、ご友人関係等で受験適齢期の方がいらっしゃれば積極的な受験勧誘をお願いします。
なお、本科の採用試験は以下の3種類があります。具体的には、推薦採用試験(高等学校長等がふさわしいと認め責任をもって推薦できる者が受験する試験)、総合選抜採用試験(合格した場合入校を確約できる者が受験する試験)、一般採用試験(従前と同じ要領の試験)です。細部は、教務部入学試験課(電話番号046-841-3810(内線2087、2153)、e-mail:ndanyusi@nda.mod.go.jp)までお問い合わせください。
今後の予定
令和4年、いよいよ防衛大学校は設立70周年を迎えます。また卒業生の皆様を防衛大学校へ招聘する行事が3つありコロナ禍ではありますが状況が許せば、➀3月の66期生卒業式に22期生(ホーム・カミング・デー)を、②4月の70期生入校式に8期生及び9期生(ホーム・カミング・デー2)を、③11月の開校祭では45期生(ホーム・ビジット・デー)のご帰校を予定しております。
また本年も全国で同窓会の皆様には訓練、部隊実習等で学生がお世話になるかと存じますが、どうぞ明日の国防を担う後輩に対し引き続き温かいご支援を賜りますれば幸いに存じます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。