対番会やってる!
2018.06.22
対番会とは防大新入生を上級生が学生舎生活の送り方、外出の仕方など親身に指導する制度で、企業で先輩社員が新入社員を指導育成し、早期退職防止のために設けているいわゆるOJT教育(ブラザー制度)のことです。親元を遠く離れ初めての全寮制の防大生活を送るには、いろんなメンタルケア、ルール、躾などの指導などが必要です。将来の幹部自衛官育成のために必要な資質を養成するため、団体生活で社会性を身に着け、相互に助け合い、学生の自主自律で学生舎生活を送ることが必要だからです。
もちろん防大では勉学、クラブ活動、体力・精神力・リーダーシップ育成なども重視しています。そのためにもこの対番制度を伝統的に継続しています。主に二年生がブラザーを担いますが、足りない場合は三年生も担当します。新入生には「上の対番をお兄ちゃんと思い、なんでも相談しなさい。この対番関係は防大卒業しても一生涯続くものだからね。」と私も言い聞かされました。私もホームシックにかかったり、人間関係に悩んだりしましたが、上の対番が実の兄のように指導してくれました。初めての外出には、横浜の港が見える丘公園や横須賀中央での食事にも連れて行ってくれました。今でも懐かしく思い出します。私が2年生になった時は上の対番から指導受けたこと以上に、下の対番を親身に指導しました。よき思い出、よき人間関係が続いています。
私の対番会は学生の時に受けた指導を実践して、自衛官OBになっても対番会活動を続けていますのでご紹介します。最長老は16期生(陸)音野徳蔵氏(70歳)で、最年少は25期生(海)島村修司氏(59歳)まで二系統で11名が続いています。(所属者の氏名は巻末に記しています。)私らの対番系統の特徴は、初めてシンガポールから留学した21期生(陸)の朱永斌氏、呉総監まで出世した22期生山口氏が含まれています。また、島村氏は衆議院議員秘書、音野氏は70歳で富士地区進路設計相談員として現役で活躍しています。また18期(陸)上田氏は陸海空自衛隊OBで立ち上げたNPO法人 日本の平和と安全基盤を支える会で陸海空部隊の隊員をインタビュ―取材した情報紙の発行、OBの再々就職の支援、富士総火演等の自衛隊施設・イベント見学ツアーを開催する等の活動をしています。
このうち6・7名が対番会に毎年6月にグランドヒル市ヶ谷に集い昔を懐かしがり、親睦を深めています。この対番会は上田氏が幹事を務め、平成16年から続けて今年で15回目になります。また対番会の実施要領は、近況紹介、情報交換の歓談だけでなく、毎回特別ゲストを呼び、卓話をしてもらって会を盛り上げています。幹事の上田氏は現職の時雲仙災害派遣広報・長野オリンピック広報等を担当され業務学校の広報教官としても勤務されました。また長く異業種交流会を主催されているので、多彩な人脈をゲストとして招いてもらっています。特別ゲストにはNHKのデスク、テレ朝の記者、企業戦士、東北電力社長(当時東京支社長)、警察庁公安、JR東海社員、ライター桜林美佐さん・首都大学講師田中順先生、防人と歩む会会長葛城奈海さん、作家風島ゆうさん・横田アサヒさん、弁護士細川陽子さんなどです。卓話は時期に適した多彩な話題で見聞を広めるとともに若返っています。
なお、21期生朱永斌氏の所在及び連絡先等ご存知の方があれば、20期生松尾(029-841-5627)へ連絡お願いします。将来はシンガポールで対番会ができればと皆期待しています。
皆様も是非対番会を継続してください。きっといいことがありますよ。
【音野対番系列】
第16期生(陸)音野徳蔵(今年で70歳)
17期(陸)鮫島守 18期(陸)上田将文
18期(陸)高峰秀之 19期(陸)源島健一郎
19期(陸)末永修平 20期(陸)松尾茂人
21期(陸)朱永斌(シンガポール留学生第1期)
22期(海)山口徹
23期(陸)渡邊和弘
25期(海)島村修司
29年 田中講師の卓話 29年対番会
「エンディングノートの書き方」の講義 左奥から25期島村、19期源島、20期松尾
前左から18期高峰、16期音野、18期上田
30年対番会 30年対番会
左奥から20期松尾 16期音野 18期上田19期源島
前左から弁護士細川 作家横田・風島
防大20期生(陸上) 松尾茂人記