令和5年度 定期総会での記念講話
2023.06.07
1 日時 令和5年6月4日(日) 12:20~13:40
2 場所 岡山市北区下石井2-6-41 ピュアリティまきび
3 参加者 36名 (会員34名及び来賓2名)
4 講師 元岡山県危機管理課参事 池田 一敏氏(27期陸)
5 演題 「平成30年7月豪雨対処を通じて得た教訓」
6 講話概要
(1) 平成30年7月豪雨における岡山県の被害状況
倉敷市真備町における死者51人のうち、88.2%の45人が65歳以上の高齢者であり、逃げたくても逃げられ ない方や危険が迫っていても逃げる気がない方々に対する対応を事前によく検討しておく必要がある。
(2) 岡山県災害対策本部の対応
平成30年7月5日(木)から広島県から岡山県北部にかけて大雨となっていたが、翌6日(金)にはまだ大きな 被害の報告は県に届いていなかった。しかし、副知事判断で県庁職員が帰宅する直前の同日午後4時30分に 県庁内非常体制に移行したことが極めて良かった。
(3) 教訓事項
ア 自然災害は想定外の事態が多く情報も錯綜、多くの場合初動対応の適否が被災者の生死を左右するが マニュアル通りには事が進まない。災害が発生している市町村からは現場対応に精いっぱいで情報が入 ってこないが、危険が迫っている段階の市町村からは相当の情報がもたらさせる。このため、リエゾン 役の職員を各市町村に派遣しておく必要があった。
イ 災害派遣を行う部隊長にとって、派遣先となる県市町村の危機対応能力を把握しておくことが的確な 人命救助活動等につながる。このため、平時から連携強化を図り、各種訓練にも積極的に参加する必要 がある。
7 会員等の感想
自衛隊に対する災害派遣要請前後の自治体内部の状況や数多くの教訓を知る貴重な機会となったことから、
OB、地本長等来賓の方も興味を持って真剣に耳を傾け、全員が「大変参考になった」と好評であった。
講話を行う池田講師