(陸)川島正君 第105回二科展に入選
2021.10.25
第105回(2021年)二科展(絵画の部)に川島正君(熊本在住)が入選されました。それも川島君ご夫妻揃って入選という快挙です。川島君ご夫妻はここ数年連続入選を果たされ、また第102回(2017年)二科展ではご夫妻揃って特選を受賞されています。
今回の二科展の入選作品を下に紹介します。(「北斗展示館」には今回の入選作品と第102回の特選受賞作品も同時に掲載していますので、そちらもご覧ください。)
二科展の展示は国立新美術館で9月1日から9月13日まで行われ、直接ここに足を運ばれて入選作品等を鑑賞された同期生の方(杉田君、石田君)の感想を紹介します。
~「川島正君夫妻の二科展出品作品を鑑賞して」~(杉田明傑)
秋の一日、六本木に二科展を鑑賞に行ってきました。と言っても絵画に深い造詣があるわけでもない小生の目的は同期生川島夫妻の労作を拝見することでした。すでに行かれた方も多いと思いますが、国立新美術館周辺は昔防衛庁があったころとは打って変わってハイカラなそして処々に緑のある清潔で上品な通りが繋がっています。
さて、川島正君の画歴はもう20年を超えていて、二科展入選は今回を含めて7回目、奥様は4回目とのことで、定年後の趣味の域をはるかに超えた専門家のレベルに達していることは毎回の入選で明らかです。しかも夫婦揃っての作品作りと入選ですから無芸大食、ぬれ落ち葉の身には羨ましい限りです。川島君の作品は「共生」(上段)、縦横1メートル以上の大作です。緻密に描かれた老木とそれを囲む新旧の蔦や木の葉、枯葉もあれば蘖(ひこばえ)と言われる新しい命の芽生えも描かれています。新旧、四季、老若、旧世代から新世代への歴史、この絵にはその全てが凝縮されています。来し方を振り返り、未来を繋ぐ生命への温かい眼差しが感じられる大作でした。
一方、奥様理智子様の作品は「古壁の嘆き」(下段)、大きさはご主人とほぼ同じです。外見朽ち果てようとした壁の中には世代を超えたそれぞれの人生の喜怒哀楽や世の栄枯盛衰が塗りこめられています。それに気づかないかのように時だけが過ぎていく。しかし空しく過ぎゆく日々を嘆くだけではない。よく見れば朽ちてひび割れた瓦塀の向こうに、萌黄(もえぎ)色の未来が配されているではないですか。それを人は希望というのでしょう。
奥様はこれを集大成として、今後はご主人の作画の補佐に徹せられるとのことです。これからは二人で作る作品ということになるのでしょう。今後が楽しみです。会場数点の特賞作品も鑑賞させていただきましたが、それに比べても川島夫妻の作品は勝るとも劣らないと見えたのは素人同期生のひいき目でしょうか。80歳を超えてこのような作品を世に問うバイタリテイに刺激を受けて同期生諸兄!もうひと頑張りいたしましょう。 (令和3年9月12日)
~「二科展を拝見」~(石田 潔)
久しぶりに同期生の快挙の朗報です。熊本在住の川島正さん、ご夫人の理智子さんが今年も二科展に入選されました。
国立新美術館で本日、10月11日拝見してきました。二科展は1階から3階まで、絵画、写真、デザイン、彫刻と多彩です。
お二人の絵は3階に部屋を別にして展示されていました。正さんは「共生」のテーマで大木に絡まる数本の蔓を描いた力作です。理智子さんは「古壁の嘆き」と題して古壁の多彩な姿を表現した秀作です。それにしましても、ご夫婦の例年の入選(先回は特選)は二科の珍事で、お見事です。「二科展・二科」」は、「日展」と同様に立派な秋の季語です。
夫婦して同時入選二科の華
木と蔓を共生と描く友の二科
三階より二科をめぐりて傘ひらく
傘ひらく二科を見終へし昂ぶりに きよし
(なお二科展は東京での展示会のほか巡回展として、各地でも展示会を実施しています。興味のある方は直接ご覧できます。但し会場の大きさの関係ですべての作品を展示していないこともありますのでご注意ください。各地の巡回展のスケジュールは次の通りです。)
二科展巡回展スケジュール
東 海 展 2021年10月 5日~10月10日 愛 知 県 美 術 館 ギ ャ ラ リ ー
大 阪 展 2021年10月26日~11月 7日 大 阪 市 立 美 術 館
富 山 展 2021年11月30日~12月 5日 富 山 市 民 プ ラ ザ
京 都 展 2021年12月 7日~12月12日 京 都 市 立 美 術 館
広 島 展 2022年1月11日~ 1月16日 広島県立美術館 県民ギャラリー
鹿 児 島 展 2022年3月 6日~ 3月13日 鹿児島県歴史・美術センター 黎明館
福 岡 展 2022年 3月15日〜 3月21日 福 岡 県 立 美 術 館