囲碁同好会の活動について(副題 「信州地獄谷温泉の旅」)
2019.08.09
囲碁同好会の松井です。龍岡さんからホームページへのお誘いをいただきましたので、囲碁同好会の活動状況を報告したいと思います。
平成11年、同窓会が主催する各期対抗の親睦・交流行事として、ゴルフ、テニスに次いで囲碁大会が毎年開催されることになりました。
陸は萩原嘉明君、海は伊東伊佐雄君からの情報を得て急遽同好者を募り大会に臨みました。
これが7期の囲碁同好会の起点になります。すでに20年の年月が過ぎました。
今回は初回の報告になりますので、第一回同窓会期別対抗戦からの成績等を別表にまとめましたのでご覧ください。優勝3回、準優勝9回、3位4回と、選手の皆さんの健闘に感謝しております。
ポイントゲッターだった大塚忠宏君、伊東伊佐雄君、宮田幸則君が逝去され、速水誠一君も自宅療養、松浦孝昇君は香川の郷里へ帰られましたので、大会参加のメンバーを揃えるのに苦労しております。昨今の主要メンバーは、(陸)佐々木秀雄、萩原義明、若松重英、(空)石嵜孝男、石橋揚夫、藤井保、松井宏ですが、今年9月の大会には(陸)佐野英良君の初参加を予定しております。
例年9月に行われる同窓会囲碁大会(団体戦及び個人戦)への参加の他、月例会を(第一金曜日、第四金曜日池袋サンシャイン囲碁サロン)で実施しています。
この他、東日本大学OB、OGの団体戦が例年1月に行われこれに一部のメンバーが参加しております。
同好会囲碁活動の状況は以上で、今回は特別に長野県下高井郡の山奥にある信州地獄谷温泉のお話をします。
ここには後楽館という旅館が一軒だけありますが、寒い時期になると、そこの露天風呂に野猿が入ることで有名です。
関西支部の同期(空)中一皓(かずあき)君の誘いを受け、今年6月、地獄谷温泉へ2泊3日の囲碁旅行に参加しました。
中君は大阪枚方市の楠葉で数年前から「くずは囲碁サロン」を主宰しておりますが、そこで指導に当たっている関西棋院の清成哲也九段が若手の美人女流棋士二人(飛田早紀二段、出口万里子初段)
を引き連れての囲碁旅行を計画、それに参加しないかとの誘いでした。
大阪方面からバスを仕立てて34名、関東方面からは私の車で4名現地合流、総勢37名のプロの先生との囲碁三昧、温泉三昧、飲み放題の楽しい合宿でした。
実は、地獄谷温泉・後楽館は創業150年以上の歴史をもち、戦前戦後を通し活躍した日本棋院棋士木谷実九段の奥様、未春(みはる)さんのご実家です。木谷実と呉清源が新布石を開発した新布石発祥の地でもあり囲碁に大変ゆかりのあるところです。
木谷ご夫妻は戦中戦後の苦しい生活の中大勢の内弟子を育てられました。その様子を、未春さんが「木谷道場と七十人の子どもたち」という本に著しましたが、その中に次のような記述がありました。
「自分の子どもが沢山いる中で、よく、よその子どもを大勢育てられましたね」と多くの方々がおっしゃいます。
「よその子どもさんは一人も育てておりません。みんな自分の子どもだと思って育ててまいりました」と答えます。他人の子どもと思っていれば、自分が疲れたら必ずお返ししたくなる。自分の子どもはどんな場合にも返しに行く場所がない。このように自分に言い聞かせてまいりました。] と。
趙治勲、大竹英雄、石田芳夫、武宮正樹、小林光一、加藤正夫、小林覚、本田幸子、小林千寿、小林禮子、小川誠子等大勢のタイトル保持者を輩出、現在も活躍中の棋士が大勢います。お二人のお蔭で今の囲碁界があると言っても過言ではないでしょう。
昨年、井山裕太九段が囲碁七冠を二度にわたり制したということが評価され、国民栄誉賞を受けました。七冠とは、棋聖・名人・
本因坊・王座・天元・碁聖・十段のタイトルのことですが、中でも歴史的に古いのは本因坊位で、安土桃山時代の本因坊算砂を祖として二十一世本因坊秀哉(しゅうさい)まで継承されました。
本因坊秀哉は、昭和十一年、本因坊の名跡を日本棋院に譲り引退を決意、引退碁が企画され昭和十三年六月二十六日に打ち始め、病気中断もあり、十二月四日に終局、挑戦者の五目勝でした。この時の挑戦者が木谷実(当時七段)でした。
世襲制を廃止して選手権制へと移行する橋渡しの一局、歴史的な一局でした。
この引退碁の観戦記者をつとめたのは、川端康成で、この時の様子を「名人」という小説に著しました。短編ですし面白いので、是非ご一読ください。
木谷未春さん、実九段の偉業には感銘しておりますが、購入したばかりの愛車スズキジムニーで信州地獄谷温泉までの往復六百キロ、往路は関越・上信越自動車道で、復路は志賀高原を抜け、噴火警戒中の白根山の脇を草津へ出て、伊香保・渋川経由で無事帰ってきた自分自身の運転も、この年にしては、偉業かと満足した旅でした。
別表
防衛大学同窓会期別対抗囲碁大会成績表
大会 回次 |
実施年月 |
参加期別 |
選手名 |
成績 |
備考 |
第1回 |
平成11年11月 |
1期~9期 |
大塚、石嵜、伊東、佐々木、高瀬、 萩原、速水、松浦、宮田、松井 |
準優勝 |
優勝6期 |
第2回 |
平成12年9月 |
1期~⒑期 |
石嵜、石橋、伊東、佐々木、高瀬、 萩原、松浦、宮田、松井 |
準優勝 |
優勝3期 |
第3回 |
平成13年9月 |
1期~11期 |
石嵜、石橋、伊東、佐々木、大塚、 萩原、松浦、宮田、松井 |
3位 |
優勝6期 |
第4回 |
平成14年9月 |
1期~12期 |
石嵜、伊東、佐々木、松浦、萩原、 高瀬、宮田、松井 |
5位 |
優勝6期 |
第5回 |
平成15年9月 |
1期~13期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、速水、松浦、松井 |
準優勝 |
優勝6期 |
第6回 |
平成16年9月 |
1期~14期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、速水、松浦、松井 |
準優勝 |
優勝6期 |
第7回 |
平成17年9月 |
1期~15期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、速水、松浦、松井 |
優勝 |
準優勝6期 |
第8回 |
平成18年9月 |
1期~16期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、速水、藤井、若松、松井 |
Aリーグ3位 |
優勝6期、 今回から2リーグ制、Aリーグは前年度成績8位までのチーム。次年度からはAリーグ7位、8位はBリーグへ降格、Bリーグ優勝、準優勝チームがAリーグへ昇格する。 |
第9回 |
平成19年9月 |
1期~17期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、速水、藤井、松井 |
Aリーグ優勝 |
準優勝6期 |
第10回 |
平成20年9月 |
1期~18期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、藤井、松井 |
Aリーグ準優勝 |
優勝6期 |
第11回 |
平成21年9月 |
1期~19期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、藤井、松井 |
Aリーグ準優勝 |
優勝6期 |
第12回 |
平成22年9月 |
1期~20期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、藤井、松井 |
Aリーグ準優勝 |
優勝9期 |
第13回 |
平成23年9月 |
1期~21期 |
石嵜、石橋、伊東、高瀬、萩原、藤井、松井 |
Aリーグ4位 |
優勝6期 |
第14回 |
平成24年9月 |
1期~22期 |
石嵜、石橋、伊東、佐々木、高瀬、萩原、藤井、松井 |
Aリーグ優勝 |
準優勝6期 |
第15回 |
平成25年9月 |
1期~23期 |
石嵜、石橋、伊東、佐々木、萩原、藤井、渡部、松井 |
Aリーグ3位 |
優勝6期 |
第16回 |
平成26年9月 |
1期~24期 |
石嵜、石橋、伊東、佐々木、萩原、若松、渡部、松井 |
Aリーグ3位 |
優勝6期 |
第17回 |
平成27年9月 |
1期~25期 |
石嵜、石橋、伊東、佐々木、萩原、大塚、渡部、松井 |
Aリーグ準優勝 |
優勝6期 |
第18回 |
平成28年9月 |
1期~26期 |
石嵜、石橋、伊東、大塚、佐々木、若松、渡部、松井 |
Aリーグ準優勝 |
優勝6期 |
第19回 |
平成29年9月 |
1期~27期 |
石嵜、石橋、佐々木、萩原、藤井、若松、松井 |
Aリーグ4位 |
優勝9期 |
第20回 |
平成30年9月 |
1期~28期 |
石嵜、石橋、佐々木、萩原、藤井、若松、松井 |
Aリーグ3位 |
優勝6期 |