政府が「自衛官の処遇 改善方針」
2024.12.22
政府が自衛官の処遇改善の基本方針をまとめたという記事が朝日新聞(2024年12月21日(土)の朝刊に掲載されたのでそのまま紹介します。(「HP担当 藤本晶士」
―――――――――――――――――――
自衛官の処遇 改善方針
警察・消防に再就職・定年2歳延長案
石破茂首相肝いりの自衛官の処遇改善に向けた政府の関係閣僚会議が20日、基本方針をまとめた。若年停年制で多くの自衛官が56歳で退職する中、将来への不安を払拭するため、再就職先として警察・消防などを想定するほか、一般隊員の定年について2歳程度の引き上げを検討。宿舎などの生活・勤務環境の改善も図る方針だ。
▼人手不足解消は不透明
基本方針では、若年定年制の自衛官に「再就職・収入に不安を感じさせないようにすることが重要」と指摘。警察や消防、海上保安、地方自治体の防災・危機管理など、公共部門での一層の活用を掲げている。民間への再就職も進めるため、不動産や介護、警備、建設、物流など幅広い業界に働きかける方針だ。防衛産業も含まれ、「利害関係がないなどと確認できれば再就職は可能」 (防衛省関係者)としている。
また、一般隊員の定年については2028年度以降、2歳程度の引き上げを検討。給与の基準となる「俸給表」も28年度に改定し、引き上げる。
航空管制官や整備員ら特別な業務に就く隊員への手当も充実させる方針。
生活や勤務環境の改善も図る。駐屯地内の営舎の個室化を進め、居住区の狭い艦艇も生活・勤務環境の改善を行い、主な艦艇では27年度までにインターネットを閲覧できる環境を構築する。
自衛官の定員は約24万7千人だが、近年は約2万人の定員割れが続く。昨年度は自衛官の採用者数が募集計画の50.8%と過去最低の割合を記録。人手不足問題に対応するための自衛官の処遇改善は、首相が自民党総裁選でも訴えた目玉政策で、関係閣僚会議は首相の肝いりで10月に設置された。 (田嶋慶彦)