令和６年５月９日の「朝雲」新聞に掲載された記事を紹介します。（HP担当 藤本晶士）

　女子アルペンスキー選手で、全国高校選抜大会、全国高校総体、国体で優勝した実績を持つ増田さくらさん（19）が今春、防衛大学校に入校した。北海道の旭川明成高校在学中にフランス・オーストリア遠征に参加し、海外選手のメンタルの強さや集中力の高さを学んだという増田さん。「大変忙しく厳しいけれどスキーで培ったメンタルの強さと同期生との絆で頑張ります。たくさんの人を助け、部下にも信頼される幹部自衛官になりたい」と意気込みを話している。

　増田さんの両親は自衛官で、父は２師団（旭川）司令部第２部総括班長の増田信也３佐と、母は旭川地本で広報官を務める増田弥生准尉。

　「両親が災害派遣で家を不在にする時は、寂しさよりも災害現場で頑張っている自衛官の姿をテレビで見てかっこいいと思っていた。困っている人を助けたい」と防大を志望した。

　４月５日の入校式に出席した母の弥生さんは「将来的に自衛官になってくれたらと思っていたので、応援したい」と喜びを語ると共に、「笑顔で安心した。制服姿がりりしく、うれしかった。頑張ってほしい」とエールを送った。

　これに先立ち３月27日、増田さんは２師団司令部で師団長の井土川一友陸将と懇談した。

　師団長は冒頭、「数ある大学の中から防大の入校を決意してくれて感謝します」と述べ、学生生活に不安がないか問いかけると、増田さんは「不安よりも楽しみの方が大きいです。自衛官を目指している私には大きな魅力を感じたので防大を選択しました」と答えた。

　続いて、防大出身で２戦車連隊（上富良野）初の女性小隊長として活躍中の大澤佳苗２尉とテレビ電話を通じて懇談。「防大で得た同期は生涯における宝で、同期と共に過ごした日々は何よりも素晴らしいものです」と激励を受けた増田さんは決意を新たにしていた。