(私の近況)自転車と足
2017.03.01
高橋 秀男
- 「風呂で頭を洗う度に毛の抜けるのが分かる」
- 「庭の植木を剪定しようとして脚立を立てるが二段以上はためらわれる」
- 「駅のホームから改札フロアーに上がるのにエレベーターかエスカレーターを探す」
- 「昨年の敬老の日にはご招待を受けた」
- とは言え団地住民の高齢化で団地の役員をしていると、会場の整理や来訪者の受付で記念写真だけの
- 参加、等々を考えると82才の自分が現実味を帯びてくる。
こんなことで先日50年以上生活の足としてきた車と縁を切ることとした。その結果、夫婦の足と自転車で生活をすることとなったが、その不便さは想像に絶するものだ。その中で最も参ったのが、今まで生活の一部とすら思っていた「仏像彫刻教室」に通えなくなったこと。 教室へは自宅から20㎞程だが、教室周辺には高速道路のインタチェンジが有るものの公共の交通機関が皆無で、残念ながら断念せざるを得ない。
わが団地は行政上「市」となっているが 過疎の街と言ったところ。駅までは3.5㎞でバスは朝夕を除いて1~2時間に1本、乗り合いのデマンドタクシーも乗車時間と用件を合わせることが難しい。今後、更に老いが進むことを考えると暗澹たるものがある。先日、同期の横山君と盃を交わす機会があり、その際の彼の話では十数年前に車無しの生活に入るも不便を感じることは無いと云うのだが。
世はアベノミクスでバラ色の生活がPRされ、働きすぎるな 金曜は早く仕事を終えて吞んで遊んで帰れ と云う。おそらく高齢で選挙の投票所にも行けない者が人口の3割を超え、その声は国政に反映されずに富の一極集中や過疎地の更なる疲弊が進むであろうことを思うと暗澹たる思いである。