第12期生ホーム・カミング・デー2(HCD2)
2024.04.25
第12期生ホーム・カミング・デー2(以下、HCD2という。)が、令和6年4月5日(金)に行われました。
第12期生は、13年前の平成23年3月20日にホームカミングデー(以下、HCDという。)が行われましたが、東日本大震災の約1週間後ということで、防衛大学校は卒業式の規模を縮小し、参加者も少なくなる中、HCDの懇親会等の中止を決心されるなど、行事の多くを取止めざるを得ない状況となってしまいました。しかし、震災から5年後の平成28年から始められたHCD2により、再び小原台の地に集うこととなり、12期生89名、ご遺族4名、ご家族26名、合計119名の方が本科第72期生等の入校式に参加されました。
7時20分に12期生会の役員が専用借上げバスで到着し、防大防衛学教育学群職員(制服自衛官)の周到な準備の下、各自の配置につき、受け入れ準備を完了しました。
7時40分からは専用借上げバスによる馬堀海岸からのピストン輸送が開始され、HCD2参加者は続々と防大に到着、早めに開門された防大正門での招待状の確認後、控室が準備された防衛学館に向かいました。今年の正門入口は、警備の関係上、入校式の父兄等と同じ正門警備所側となりましたが、入門通路を分けるなどの工夫や12期生の案内係と防衛学教育学群職員の誘導でスムーズに入門することができました。
防衛学館1階には、陸・海・空の要員毎に受付が設けられ、出欠の確認後、青いリボンを受け取って控室に入り、久しぶりの再会に思い出話や近況報告に花を咲かせました。
HCD2当日の天候は小雨まじりの曇でしたが、8時30分の校内一斉放送により観閲式の実施が告げられ、本日の行事が晴天時のスケジュールで実施されることが決定されました。
8時40分、防衛学教育学群職員の引率の下、入校式典会場である記念講堂に向け移動を開始し、途中の時計台下階段では、久保学校長、中野副校長、35期生の遠藤副校長、38期生の久保田防衛学教育学群長及び40期生の東訓練部長とともに、参加者全員での記念写真の撮影を行いました。
写真撮影後、入校式典会場の記念講堂に入り、学校側のご配慮によりHCD2参加者のために準備された区画に着席しました。
入校式は、10時の鬼木誠防衛副大臣の臨場、防大儀仗隊による栄誉礼で始まり、国歌斉唱、任命・宣誓・申告に続いて、学校長式辞、防衛副大臣訓示、統合幕僚監部防衛計画部長による来賓代表祝辞と滞りなく進められました。
久保学校長の式辞では、留学生を含むすべての新入生に対しお祝いを述べられるとともに、鬼木副大臣をはじめとする多くの来賓の方々や新入生のご家族に対するお礼の言葉を述べられました。
そしてさらに、防大が実施しているホームカミングデー行事についても言及され、この入校式には60年前に入校された防大卒業生の第12期生も参列されていることを紹介し、「12期生の皆様におかれましても多数の若者が防大の門を叩いてくれたことに対し、心より嬉しく、また頼もしく感じているものと想像いたしております。」と述べられました。
この学校長のお言葉に対し、第12期生の方々はその場で起立をされ、応えられました。
また、学校長は、日本を取り囲む安全保障環境が顕著に悪化する中、自衛隊に対する期待は高まり、同時に責任も増していることから、この期待に応えるべく『広く学ぶこと』『人間を磨くこと』『広い視野を持つこと』に留意して精進するとともに、一生の友人を得て、防大でしか得られない充実し、かつ楽しい学生生活を送ることを要望されました。
次に、鬼木防衛副大臣の訓示が行われ、世界が大きな時代の転換点を迎える中、自衛隊が国民とともにあることを出発点として国防のあり方を考え、その中で自分の役割は何かという根本的な課題に向き合い続けてほしいと述べられました。また、ハラスメントの防衛省・自衛隊への著しい悪影響にも言及され、ハラスメント防止を率先できるリーダーとしての資質をしっかり身につけるように要望されました。
最後に、統合幕僚部の南川防衛計画部長は吉田統合幕僚長の祝辞を代読し、「現在、我々は歴史の大転換点に立っており、諸君の世代は、抑止力のさらなる強化により、これから4半世紀、ウクライナやガザと同様の深刻な事態を抑止していく責任を負うことになる。こうした時代に必要なのは、将来予測が困難な時代においても、先を見通した戦略と周囲を牽引していくリーダーシップの2つである。このため、諸君には、防衛大学校時代にMVP、すなわち、ミッション(使命感)、ビジョン(構想力)、パッション(情熱)という3つのリーダーシップの要素を磨いてもらいたい。」と述べられました。
入校式終了後、HCD2参加者は顕彰碑を参拝、花輪を捧げて志半ばに国に殉じたご同期の殉職隊員に対する慰霊を行いました。
その後、参加者は陸上競技場に移動しHCD2参加者のために用意された座席に着席し、学生隊のパレード、儀仗隊のファンシードリルなどを見学しました。
なお、予定されていた祝賀飛行は、天候の影響で中止となりました。
観閲式は、小雨交じりの曇天の下で行われ、とても寒い中での参観となりましたが、突然、防衛学教育学群からのビニール・レインコートと使い捨てカイロが予定外で配布されました。この思いがけない支援品にHCD2参観者は大変感動し、喜ばれていました。
観閲式の参観を終えたHCD2参加者は、一旦防衛学館の控室に戻り、その後、専用借上げバスで母校を離れ、懇親会場である「セントラルホテル横須賀」に向かいました。
懇親会には、ご家族を合わせて112名の方が参加されました。
懇親会会場入り口横の壁には、これまでに亡くなられたご同期の学生時代の写真が掲示されるとともに、懇親会の冒頭で若き日の写真がスクリーンに次々に投影され、在りし日を偲び、共に過ごした楽しかった時を思い出しながら、最後に参加者総員による黙とうが行われました。
その後、相田期生会長が挨拶され、続く金田海部会長による乾杯により開宴となりました。
久保学校長及び村川同窓会長は、コロナ禍に中止となり、今回の入校式から再開された午餐会への出席のため、懇親会には途中からの参加となり、15時ごろに会場に到着されました。
久保学校長の挨拶と村川同窓会長のユーモアを交えた挨拶の後、場はしだいに盛り上がり、着座式の懇親会でしたが、話が盛り上がるにつれ立食パーティーの様相を呈していました。
話は尽きない状況でしたが、予定の時間が迫ったため、参加者全員で逍遥歌を斉唱し、佐藤陸部会長による終宴の挨拶で名残惜しい懇親会はお開きとなりました。
おわりに、HCD2実施に向け準備を進められた、第12期HCD2行事準備実行委員会の皆様のご活動に心から敬意を表しますとともに、準備から本番まで、本当に親身になってご支援をいただいた防衛大学校職員の皆様に心から感謝申し上げます。
(同窓会事務局HCD2担当 31期海 伊藤辰彦 記)