第10期生・第11期生ホーム・カミング・デー2(HCD2)
2023.04.26
第10期生・第11期生ホーム・カミング・デー2(以下、HCD2という。)が、令和5年4月5日(水)に行われました。
コロナ禍のため、過去3年は実施が見送られましたが、本年は第10期生及び第11期生がご家族合わせて、それぞれ107名、114名、合計221名の方が行事に参加しました。
本年のHCD2は晴天に恵まれ、8時頃から第10期生及び第11期生とご家族は、正門右側のHCD2専用の入り口を通過し、桜吹雪が舞う中、控室が準備された防衛学館に向かいました。正門及び経路上の要点には誘導支援の要員が配置され、入門・移動はスムーズに行えました。
防衛学館の1階は第10期生、2階は第11期生の控室となっており、到着後は、陸・海・空の要員毎に準備された受付で出欠を確認し、資料を受け取って控室に入り、久しぶりの再会に思い出話や近況報告に花を咲かせました。
朝、京浜急行が事故のため一時運行を見合わせたことから、当初予定の集合時間に間に合わなかった方が数名いましたが、受付を終了された方は、定刻に式典会場に向かい、途中、時計台下で久保学校長をはじめ防大の主要な職員を囲んで集合写真の撮影を行いました。
写真撮影後、式典会場である記念講堂に移動し、用意された指定席に着席しました。車椅子での参加者には専属の防大教官が付き、常時サポートをして頂きました。また、座席についても専用席が用意されました。
なお、京浜急行の事故の影響で遅れた方も振替輸送等を利用して無事に入門し、式典に参加しました。
入校式は、10時の井野防衛副大臣の臨場、防大儀仗隊による栄誉礼で始まり、国歌斉唱、任命・宣誓・申告に続いて、学校長式辞、防衛副大臣訓示、統合幕僚副長による来賓代表祝辞と滞りなく進められました。
久保学校長の式辞では、井野副大臣をはじめとする多くの来賓の方々やご家族に対し、お礼の言葉を述べられた後、防大が実施しているホームカミングデー行事について言及し、第10期生、第11期生の参加について紹介されました。
学校長は引き続き、これからの4年間、「一つ目は、広く学ぶこと。科学技術について正確な理解をもち、同時に歴史や社会科学について勉強し、さらに民主主義の歴史と民主主義の意義についても学ぶこと。二つ目は、人間を磨くこと。権限に基づいて発した正当な命令に従うのが組織であるが、それがなくとも部下が自ずとついてくるような指導者を目指してほしい。そのためには、知識だけではなく、他人の気持ちを理解する力、自己の感情を抑える能力も必要であり、広い意味での人間力を磨くこと。三つ目には、広く学ぶことを超え、さらに広い視野を持つこと。学生は学外でのアルバイトやインターンをすることは出来ないが、学校がさまざまな機会を用意するので、チャンスに応募して、外の世界を知るように心がけること。」の3点を本科学生に要望されました。
井野防衛副大臣は訓示で、本科学生には、国防を担うという気高い理想を持って入校した学生に敬意を表した後、「不安や心配はあると思うが、一つ一つ慣れていくことが大事であり、慣れれば自然と成長を実感できる。」と述べられました。また、研究科学生には、「専門性を追求し、自分が何をすべきか、あるべき姿を思い描き、学ぶことを期待する。」と述べられました。そして、留学生に対しては、「防大で得た様々な成果、経験を母国に持ち帰り、日本との友好の懸け橋になると共に、仲間と終生変わらぬ友情をはぐくむことを希望する。」と述べられました。
最後に「日本は平和を享受してきたが、世界は今、ロシアのウクライナ侵略を始め、一部の国による国際秩序への挑戦に晒されている。変化の激しい世界で、変化の速い科学技術を駆使し、我が国の平和と独立のために活躍する事を期待する。」と述べられると共に、女子学生が過去最多の103名の入学となったことに言及し、「性別を問わず切磋琢磨することを期待する。」と述べられました。
南雲統合幕僚副長は吉田統合幕僚長の祝辞を代読し、「今は歴史の大転換期であり、30年間続いたポスト冷戦が終わった。力による一方的な現状変更を試みる勢力と法の支配による国際秩序を重んじる二つの勢力が対立している。諸君の先輩は、抑止力を磨き、我が国への武力侵攻を未然に防いできた。諸君の責務は抑止力を強化し、我が国への武力行使を防ぐことである。求められるのは、将来の予測が困難な時代においても、先を見通した戦略と周囲を牽引していくリーダーシップであり、諸君は、防大卒業後、戦略的リーダーになることが期待される。防大は戦略的リーダーシップの素地を学ぶことができる唯一の学校であり、Mission:使命感、Vision:構想力、Passion:情熱を磨くことを要望する。そして、4年間、防大で築いた同期の絆は、将来の統合運用の基盤になる。」と述べられました。
また、留学生に対しては、「諸君は、一人一人が祖国の宝であり、日本にとってもかけがえのない友人である。4年間、防大生活に全力で取り組み、真の友情を築き、相互理解の促進に努めることを要望する。」と述べられました。
入校式終了後、HCD2参加者は顕彰碑を参拝、花輪を捧げて志半ばに国に殉じた10期生4柱、11期生5柱の殉職隊員の慰霊を行いました。
その後、参加者は陸上競技場に移動してHCD2参加者のために用意された座席に着席し、学生隊のパレード、展示飛行、儀仗隊のファンシードリルなどを見学しました。車椅子での参加者に対しては、サポート役の防大教官が見えやすいように車椅子の向きを調整するなど、細やかな心配りがなされていました。
パレード見学を終えた HCD2参加者は、小原台を後にして、懇親会会場である「よこすか平安閣」に向かいました。
1415頃から、第10期生が5階、第11期生が6階と会場を分けて懇親会が開始されました。ご家族を合わせて、それぞれ 約100名、110名が参加され、期生会長の挨拶で始まりました。
久保学校長は公務のため、若干遅れて1450頃に会場に到着されました。学校長は、挨拶で、「今年は女子学生の新入生が100名を超えたこと、フィリピンやカンボジアなどでのJICA(ジャイカ)プロジェクトへ学生を派遣したこと、また、今後は ジブチでのプロジェクトに派遣を検討していること」について話をされ、最後に「これからは、良き伝統を守りつつ、変わっていく。」と話されました。
村川同窓会長は、第10期生・第11期生の方に、これまでの同窓会へのご尽力に対して感謝するとともに、「いつまでもお元気で。そして、物心両面の支援をお願いします。」とユーモアを交えて挨拶しました。
懇親会は、盛り上がり、話は尽きない状況でしたが、予定の時間が迫ったため、逍遥歌等の斉唱が行われ、名残惜しい懇親会はお開きとなりました。
おわりに、HCD2実施に向け、準備を進められた第10期生・第11期生会役員の皆様のご活動に心から敬意を表するとともに、準備から本番まで本当に親身になってご支援をいただいた防衛大学校職員の皆様に心から感謝申し上げます。
(同窓会事務局HCD2担当 30期海 川原梅三郎 記)