第38期ホーム・ビジット・デー(HVD)
2014.12.11
11月8、9 日の両日、さわやかな秋風の中、防衛大学校において平成 26 年度開校記念祭が開催されました。
今年の開校記念祭は、防衛大学校創立62周年「和~誇りを胸に~」をテーマに掲げて実施されました。 この「和」は平和と日本を意味しており、日本人として、そして、防大生としての誇りを胸に邁進する若人の固い意志を表したものです。
さて、そのような中、卒業20年目に当たる第38期生が防衛大学校に集い、ホーム・ビジット・デー(以下、「HVD」という。)(第30期生以降9回目)に賑わいました。
今回の対象期である第38期生の特徴は、在校中及び卒業後も陸海空の垣根を越えて活発に交流、卒業10周年時にも記念懇親会(都内)を実施し、全国各地から同期が駆けつける等、団結力を維持している期といえます。学生時代は、4個小隊制(学年別小隊)を経験した最後の期であり、2人部屋への移行(現在は8人部屋が復活)、個人電話の導入、食事に関しては所謂「バッカン飯」が終了して炊飯ジャーが導入される等、当時の社会情勢を受けた学生生活の質の向上が図られた時期でもありました。
海外任務が拡大しつつある流れの中で卒業し、38期生の多くが人道復興支援や海賊対処といった国際平和協力等に係る海外任務(※1)の主力として活躍してきました。また、現在は、各部隊指揮官や司令部幕僚として運用の中核を担うとともに、米国、ロシア、欧州等の主要国における陸海空防衛駐在官(※2)にも名を連ねる等、まさに統合を牽引する役割を果たしています。
※1:防大38期生が参加した主要な海外任務(順不同)
・国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)
・国連ハイチ安定化ミッション
・国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)
・イラク人道復興支援活動(イラ特)
・インド洋における補給支援活動(テロ特)
・ソマリア沖・アデン湾派遣海賊対処行動(水上部隊、航空部隊、拠点警備等)
・国際緊急援助活動(フィリピン水害等)
※2:防大38期生が赴任した国(帰国済及び赴任予定を含む)
・陸:ドイツ、オーストリア、シリア
・海:アメリカ、ロシア、イタリア、サウジアラビア、オーストラリア
・空:アメリカ、クウェート、イスラエル、アルジェリア
さて、HVDが行われた9日には、全卒業生338名中の65名(家族を含め175名)が懐かしの小原台に来校、集結し旧交を温め合うと共に、卒業当時から様変わりした本館や学生隊舎・食堂に目をやり、懐かしい観閲式、懇親会及び棒倒し観戦などを楽しみました。
HVD は、先ず初めに38期HVD実行委員長兼期生会代表である石井浩之氏(空自)他4名の実行委員会スタッフが國分良成学校長を表敬(副校長、幹事同席)し、HVD 行事へのご協力とご理解に謝意をお伝えし、更に、在校生への記念品として1大隊学生隊舎(1・2階中央の踊場)に姿見用鏡1枚を寄贈することとなった旨の報告を行いました。
その後行われた記念式典・観閲式においては、HVD参加者の多くが観閲台のそばに設けられた専用席において学校長式辞、陸・海・空自衛隊主要航空機による祝賀飛行、観閲行進、そして、空挺降下などを見学しました。
HVDのメイン・イベントである38期生及びその御家族による懇親会は、本年も学生会館4階の大ホールにおいて12時30分から14時30分まで行われました。
懇親会は、卒業後にご逝去された同期生物故者(9名)への黙とう、HVD実行委員長石井氏の代表挨拶、そしてHVD実行委員今野泰樹氏(海自)の乾杯で開始されました。 参加者は、懐かしい顔ぶれに現在の状況を語り合うとともに小原台時代の思い出話に花を咲かせました。
会の終盤には祝賀会を終えた國分学校長、永岩同窓会会長及び永田副会長が会場に駆付けてくださり、しばし38期生との歓談の時間をいただくことができました。
その後、38期生会から北岡永太郎学生(第59期生会代表)に在校生への記念品として「姿見用鏡」の目録が手渡されました。
続いて学校長から、昨今の厳しい状況の中、各部署等で「たたかれている」であろう38期卒業生に対し、「奥様方どうかご家庭では温かい目で迎えてあげてください」等と時折ユーモアを交えながら、多方面で活躍中の38期卒業生の労苦をねぎらっていただきました。また、第15期の先輩でもある永岩同窓会長からは、「今後は、職務を通じて後進の育成も含めた組織への還元を期待」する旨激励していただき、参加者一同がこれからの職務への取り組みに思いを馳せる好機ともなりました。
國分学校長「歓迎の言葉」 永岩同窓会会長「激励の言葉」
その後、全員が肩を組み輪になって現役応援団リーダー部員による口上を音頭に、防大逍遥歌を声高らかに歌い上げ、参加者を代表して池田孝一氏(陸自)の音頭による一本締めで会を締めくくり、約2時間に及ぶ第38期生HVD懇親会は大盛況のうちにお開きとなりました。
応援団リーダー部による前口上 ~防大逍遥歌~ 応援団リーダー部からのエール
閉会後、参加者は再び陸上競技場または第一大隊学生舎の屋上に移動し、防衛大学校開校祭の華である棒倒しを御家族と共に見学しました。
こうして第38期生のHVDは幕を閉じました。
(同窓会本部事業部HVD担当記)