防衛大学校同窓会長からのご挨拶
昨年4月に岩田前会長の後任として、防衛大学校同窓会長を拝命いたしました村川と申します。会員の皆様には、平素から同窓会活動に対し、ご理解とご支援をいただき、心からお礼申し上げます。
今後とも、「同窓会の役割は何よりも母校の充実・発展への寄与にある」という岩田前会長の方針を引き継ぐとともに、会員相互の親睦交流のため微力を尽くす所存ですので、よろしくお願いいたします。
さて、昨年は長期にわたるコロナ禍がようやく収束し、従来の日常が戻ってきたように感じています。私は、昨年11月の開校記念祭に参列させていただきましたが、15,000名を超える来場者が見守る中、記念式典・観閲行進及び棒倒し競技会等が整斉かつ勇壮に行われました。制約なしの開校記念祭開催は4年ぶりであり、コロナに悩まされた辛い経験を跳ね返すかのような学生諸君の熱気を肌で感じ、大変頼もしく思いました。
そして、本年3月には第68期生が岸田内閣総理大臣をはじめ多くの御来賓と参列者そして在校生からの祝福を受けて卒業し、4月には新たに第72期生が入校いたしました。コロナ禍を脱し、防大にもようやく本来の春が来たように感じております。
同窓会の近況について
防衛大学校同窓会は、第1期生を中心に昭和36年1月21日に設立され、昨年62年目を迎えました。これまで、諸先輩、各期の役員、歴代の事務局員、並びに期生会や地域支部等の皆様の献身的なご支援をいただき活動して参りました。
今や、会員数は2万6千名(現役約1万1,700名、ОB1万4,000名、留学生450名)を超え、規模的には安定した組織となっております。
一方、第1期生会、第2期生会、第4期生会、昨年12月には航空第3期生会が組織的活動に終止符を打たれました。同窓会としては、一つの節目の時期を迎えているように思います。
令和6年度の事業計画につきましては、3月の代議員会において議決していただきましたが、その主な項目について紹介させていただきます。
まずは、これまで同様に学校側と意思疎通を図りつつ、母校の充実・発展に寄与して参ります。特に、現在、防大が積極的に取り組んでおられる国際交流事業等に対しては、今後とも積極的かつ柔軟に支援する予定です。
また、学生の部隊実習時には、各地域支部が中心となり各地において激励を実施したいと考えております。さらに、各地域支部の皆様におかれましては、これまでも防大同窓会活動において大きな役割を果たしていただいておりますが、一層の活性化を図るため各地域支部の諸事業を推進いたします。
会員相互の交流につきましては、11月に予定される開校祭記念行事時にはホーム・ビジット・デー行事に第47期生が、令和7年3月の卒業式時のホーム・カミング・デー行事及び4月の入校式時のホーム・カミング・デー2行事には、それぞれ第24期生及び第13期生が、学校長のお招きにより、懐かしい小原台で旧交を温められる予定です。同窓会は物心両面でこの素晴らしい行事を支援して参ります。
同窓会はなぜ必要?
防衛大学校同窓会は卒業生のすべてが会員となります。そして、会員が卒業時に納入する会費を次年度の活動経費とすることを基本としております。
しかしながら、近年、会費納入率が極端に低下しており、会務の運営にも支障を及ぼしております。これまで実施してきた活動をもとに、卒業生に対し同窓会活動の意義について理解を得る努力を重ねて参りましたが、目に見える成果は上がっておりません。同窓会としましては、卒業生諸君の意見も参考として、一層の会務の効率化や経費削減を図るとともに、会費の納入を従来の一括納入から在校中の積み立て方式に変える等、制度面の改善も図っております。
一方で、本件は単に予算の問題としてとらえるべきではないように感じています。卒業生等との対話を通じて、「同窓会とは何なのか?」「なぜ必要なのか?」をあらためて考える良い機会であるとも考えております。
「他の人も会費を払っているのだから」「今までやってきたことだから」では、若い人たちの理解は得られません。「母校の充実・発展のため、後輩のため」という明確な目的をぶらさずに説明し、目的に沿った活動をしていくことこそが理解を得る唯一の方法だと信じ、引き続き尽力して参ります。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において国防の任に就く現役諸君はもちろん、将来の国防を担うリーダーを育成する防衛大学校の使命はますます大きなものとなっております。同窓会役員一同、久保学校長をはじめ防大職員の皆様、そして会員の皆様とますます連携を深め、母校の充実と発展のために尽力する所存です。皆様方からの一層のご支援ご協力をお願いし、挨拶とさせていただきます。
令和6年4月6日
防衛大学校同窓会長 村川 豊
【 村川 豊(むらかわ ゆたか) 略歴 】
25期、海上要員、国際関係論専攻、剣道部
昭和33年 神奈川県出身
平成21年 阪神基地隊司令
平成22年 海上自衛隊第4術科学校長
平成23年 海上幕僚監部人事教育部長
平成25年 補給本部長
平成27年 海上幕僚副長
平成28年 海上幕僚長
平成31年 退官
現在、株式会社NTTデータ特別参与